お口のなかに銀歯はありますか?【院内報R6年8月号】
皆さんは、アルミホイルやスプ ーン・フォークなどを噛んで「キーン」とした経験はありませんか?その現象をガルバニックショックといいます。理科の実験などで、異なる金属をレモン溶液に浸して豆電球がつくという、レモン電池の実験をしたことがある方もいるかもしれません。ガルバニー電流は、これと同じように唾液を介して異なる種類の金属が触れ合うと発生するのです。
ガルバニー電流は微弱な電流なので、通常はほとんどの人にとって問題はありませんが、ガルバニックショックが発生すると、脳が誤作動を起こして、頭痛や疲れ、不眠、イライラなどの神経症状を引き起こすことがあります。また、溶け出す金属イオンが金属アレルギーの原因になることもあります。そのため、当院では保険で使用する金銀パラジウム合金ではなく、白くて長持ちするセラミックによるメタルフリーの治療をおすすめしています。お気軽にご相談ください。
学生のみなさんは、夏はレジャーで忙しくしていると思いますが、夏休みの間に歯科治療を受けて、健康なお口で新学期を迎えましょうね!
お口のなかに銀歯はありますか?【院内報R6年8月号】
暑い夏、冷たい飲み物を飲むとズキーンと痛みが知り、その原因が銀歯だったというケースは少なくありません。みなさんのお口のなかに銀歯はありますでしょうか?
数年前までは虫歯治療は銀歯が主流でした。日本で多く使われている銀歯は金・銀・パラジウムなどの金属をかけ合わせた「金銀パラジウム合金」と呼ばれる金属です。加工しやすいため保険治療で使われており、何らかの形で口の中に銀歯が残っている成人は全体の7~8割を占めると言われています。
しかし、欧米ではセラミックの治療が一般的であり、銀歯はほとんど使用されていません。ドイツではパラジウムが体に与える悪影響の観点から使用禁止の勧告がされており、スウェーデンにおいては小児・妊婦への使用が禁止されています。
銀歯は、保険制度によって安価に使用できることがメリットですが、ロシアのウクライナ侵攻で、金銀パラジウムの価格が高騰しており、患者さんの負担も以前に比べて多くなっています。
★銀歯のデメリット
●金属アレルギーを引き起こしやすくなる
お口の中の銀歯が唾液に触れると、金属の成分が溶け出して金属イオンになります。この金属イオンが体の中のたんぱく質と結合してアレルギーの原因となるアレルゲンとなり、時間とともにこのアレルゲンが体内に蓄積され、金属アレルギーを引き起こすリスクが高まってしまいます。
●二次むし歯になりやすくなる
銀歯は高温になると金属が膨張し低温になると収縮しますが、歯と熱膨張係数が違うので、熱いお茶を飲んだり、冷たいアイスを食べたりしたときに、金属と歯をくっつけているセメントが剥がれ、そこから唾液が入りこんで銀歯の下が虫歯になってしまうのです。
★歯は何度も治療できないので、長持ちするセラミックがお勧め!
銀歯の下が虫歯になっても、また治療をやりなおせばいいじゃないか、とお考えの方もいると思います。しかし、治療を繰り返すたびにむし歯になったところを削るので、三度ぐらい繰り返すと神経を抜かなければならなくなってしまいます。
最近は保険でもプラスチックとセラミックを混ぜた白い歯を選べるようになりました。しかし柔らかいため、大きく歯を削る必要があります。また、大きな荷重がかかると、たわんで脱離したり破折したりすることがあり、神経を抜く治療が必要になることもあります。
そのため当院としては、身体に優しくて長持ちし、白くてきれいなジルコニアなどのセラミック治療をおすすめしています。自費治療になりますが長持ちするので、長い目でみれば保険治療を繰り返すよりも生涯の歯科治療費が安くなる可能性もあります。順番に銀歯をセラミックに付け替えていくことも可能ですので、お気軽にご相談ください。