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身近なお口のトラブル「口内炎」【院内報R6年9月号】

今年の中秋の名月は9月17日(火)だそうです。日本では月に「お餅をつくうさぎ」がいるとされていますが、これは中国の仏教説話から伝わったとされています。ちなみに中国ではお餅ではなく、「不老不死の仙薬を挽くウサギ」だそう。お月見の前日、9月16日(祝)は「敬老の日」です。健康に長生きするためには、お口の健康が欠かせません。電動音波ブラシや舌クリーナー、歯磨き粉などの口腔グッズをプレゼントされてみてはいかがでしょうか?ある意味で「不老不死の仙薬」かも知れません。

ところで、月の模様は世界中で様々な動物や人に捉えられています。世界各地にいろいろな見立てがあり、それはその地域に伝わる月の神話や伝承と関係があるようです。うさぎの模様をみるのはインドや韓国などアジア各国、中国ではうさぎの他に「ガマガエル」、インドでは「ワニ」、南ヨーロッパでは「カニ」、中南米では「ロバ」、北ヨーロッパは「本を読むおばあさん」、東ヨーロッパやアメリカは「横向きの女性」などなど…。改めて月を眺めてみると、皆さんは何に見えますか?

身近なお口のトラブル「口内炎」【院内報R6年9月号】

口内炎ができてしまい、食事をするときや歯磨きをするときにとても痛い。でも気が付いたら治っていた、なんて経験はありませんか?口内炎は、口の中やその周辺の粘膜におこる炎症の総称です。頬っぺたの内側にできることが多いですが、唇にできるものは「口唇炎」、口角にできるものは「口角炎」、舌にできるものは「舌炎」と呼ばれ、お口の中の広い範囲で発生します。また、一つだけできることもあれば、何個もできてしまったり、同じところにできたり、その症状はさまざまです。

口内炎の原因は、ストレスや栄養不足などによる免疫力低下や、口の中を噛んでしまうなどの物理的刺激、ウイルスなどによる感染など様々です。他の病気の一症状として起こる場合もあるので、長引く場合は注意が必要です。

口内炎の種類

・アフタ性口内炎

一般的にもっとも多くみられる、表面が白く、大きさが2~10㎜ほどの浅い潰瘍性の口内炎です。少し触れただけでも鋭い痛みを感じます。治療を行えば1週間程度で治りますが、それ以上経過しても治らない場合は、腫瘍(癌)が潜んでいたり、治るけど何度も再発してしまう場合は、他の病気が関係したりしている可能性があるため注意が必要です。

・カタル性口内炎

入れ歯や矯正器具が接触したり、ほおの内側を噛んでしまったりしたときの細菌の繁殖、熱湯や薬品の刺激などが原因で起こる口内炎です。アフタ性とは異なり、境界が不明瞭で、唾液の量が増えて口臭が発生したり、口の中が熱く感じたり、味覚がわかりにくくなることもあります。

・ウイルス性口内炎

ウイルスが原因で起こる口内炎もあります。ヘルペスウイルスの感染が原因の「ヘルペス性口内炎(口唇へルペス)」は、主に唾液などの接触感染や飛沫感染によって感染します。またカビ(真菌)の一種であるカンジダ菌は、もともと口の中に存在する常在菌のひとつですが、免疫力が低下したりすると増殖し、「カンジダ性口内炎」を発症することがあります。

口内炎が長引く場合は?

口内炎の症状があまりにも辛いと食事をするのも億劫になってしまいます。辛いと感じたら早めに歯医者を受診してください。
また、口内炎がなかなか治らない場合は、全身疾患による免疫低下や口腔がんなど、重大な病気が隠れている可能性があります。口内炎だと決めつけて放置し、口腔がんが進行して取り返しのつかなくなったというようなケースもあります。「たかが口内炎」と決めつけず、2週間以上治らない場合は、早めにご来院してください。

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