虫歯予防は生まれる前から!マイナス1歳からの虫歯予防【院内報R6年11月号】
1月1日は「犬の日」です。 「ワン(1)ワン(1)ワン(1)」という犬の鳴き声にちなみ、1987年にペットフード工業会(現、一般社団法人ペットフード協会)が制定しました。帰宅すると真っ先に出迎えてくれる愛犬を抱きしめ、思わず頬ずりやキスをしてしまう方は多いのではないでしょうか。しかしこのような行為がワンちゃんへの歯周病感染のキッカケになる可能性があります。犬が歯周病になると、まず口臭がして、酷くなると歯を支える骨が溶け、歯が抜け落ちてしまったり、顎の骨が弱くなり骨折してしまったりすることもあります。さらに、犬も人間と同じように歯周病菌が全身疾患に影響をあたえるといわれています。なんと、3歳以上の成犬の約80%が歯周病にかかっているそうです。犬は「人よりも歯垢が歯石に変化するスピードが速い」「ブラッシングが難しい」「違和感があっても訴えることができない」などの理由から歯周病が重症化しやすい傾向があります。大切な愛犬が元気で長生きできるよう、犬への口移しやキスはやめましょう。また、愛犬に歯周病菌をうつさないように、ご家族全員で定期健診に通い、歯周病のチェックとケアを心がけましょう。
虫歯予防は生まれる前から!マイナス1歳からの虫歯予防
マイナス1歳からというのは、生まれる前、つまり赤ちゃんがおなかにいるときからの虫歯予防です。お母さんの歯の健康状態は赤ちゃんと無関係のように思われがちですが、様々な研究により両者にはとても深い関係があることがわかっています。ぜひ、お子さんが生まれる前から、お母さんが虫歯予防に取り組んでください。
★虫歯菌はどこから子供に感染する?
生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には虫歯菌はいません。周りの大人から感染するのです。特に赤ちゃんの近くにいるお母さんから感染することが多いと言われています。
虫歯菌は、生後6か月くらいから歯が生え始めたら歯に付着します。通常、生後19〜31ヶ月の間で、生後19ヶ月で25%、31ヶ月では75%の割合で、赤ちゃんのお口にむし歯菌が定着するのです。このため、この時期を“感染の窓”と呼びます。子どもの口腔内を菌から守るためには、一緒に生活している親御さんの口腔内に持っている細菌量が少なければ少ないほど、赤ちゃんへの感染リスクを少なくすることができるのです。
★妊娠中は虫歯や歯周病になりやすい
つわりの時期はニオイや刺激に敏感になります。歯磨き粉の香りで気持ち悪くなって、お口の中に歯ブラシを入れるのも大変になってしまう方がいます。さらに、妊娠中は、女性ホルモンの分泌が活発になります。中でもエストロゲンというホルモンが歯周病菌の増殖を促すのですが、これが月経時のおよそ30倍にも跳ね上がるといわれているのです。さらに、歯周病の原因菌には、女性ホルモンを好物とする細菌がいます。そのため、妊娠中は妊娠前よりも虫歯や歯周病になりやすくなるのです。また、妊娠している女性が歯周病に罹患している場合、低体重児および早産のリスクが高くなることが指摘されています。
★なにをすればよい?
・歯科衛生士から指導を受けて、日頃から正しい歯磨き習慣を身に着けましょう。
・歯科医院で定期健診を受け、プロのクリーニングを受け、虫歯リスクを下げておきましょう。
・虫歯がある方は、早めに治療をしておきましょう。
・キシリトールのガムやタブレットを摂取して、虫歯リスクを下げましょう。
お母さんだけでなく、お父さんや身近にいるご家族もみんなで、虫歯治療やクリーニングを行うことで感染リスクを減らす事ができます。
歯科医院での定期健診や適切な治療で、周りの大人たちの細菌レベルを下げて、大切なお子さんの歯を、虫歯のない健康な歯に育てていきましょう!