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歯を失うカウントダウン!?二次う蝕について【院内報R3年7月号】

7月7日は七夕。天の川の対岸で離れ離れになっている織姫と彦星が、年に一度だけ会うことができる日です。たくさんの人が夜空を見上げると思いますが、実際に織姫星と彦星があるのをご存知ですか?
織姫星はこと座のベガ、彦星はわし座のアルタイルという名前で呼ばれる夏を代表する星で、天の川をはさんで離れ離れに輝いています。この二つの星は14.4光年、光の速さでも約15年もかかるほど離れていて、実際は七夕の夜にだけ近づくということはありません…。そこで昔の人は、たらいに水を張って二つの星を映し、水をかき混ぜて、二つの光を一つにしてあげたそうですよ。ロマンチックですね!
さて、そろそろお子さんが学校歯科検診の用紙を持って帰ってきているのではないかと思います。
結果が「異常なし」となっていても、隠れた虫歯があるかもしれません。しばらく歯医者に来ていないという方は、夏休みの間に歯科検診を受けに来てくださいね。

歯を失うカウントダウン!?二次う蝕について

みなさんは、これまでに虫歯治療を受けたことがありますか?虫歯は一本もないという人も中にはいらっしゃいますが、ほとんどの方が一度は虫歯治療を受けたことがあると思います。
虫歯治療を終えて詰め物で処置した歯は、もう二度と虫歯にならないと思っている人がいます。しかし、虫歯の処置をした歯の方が、実は虫歯リスクが高いのです。一度治療した歯の虫歯が再発することを、二次う蝕と言います。保険治療を選択された方は特に注意が必要です。

★治療を受けたのになぜ再発するの?

一度治療した場所がまた虫歯になると、『ちゃんと治療してくれなかったのでは?』『虫歯を取りきれていなかったんじゃない?』と思われる方がいますが、それは違います。保険治療ではむし歯が小さいとき、CRというプラスチックを使用します。使用できる材料は決められています。虫歯菌や酸が染み込んで1年ほどで着色していきます。やがてその下に虫歯ができるのです。
虫歯が大きい場合、保険では金とパラジウムを混ぜた合金や銀合金でできた詰め物を使います。ところが金属は歯とくっつかないため、「合着」と言ってセメントで歯に貼り付けて摩擦で固定するので歯と詰め物の間のミクロの隙間が残ります。毎日3度の食事で噛む度に、その隙間から唾液と虫歯菌が入り込み、やがて二次う蝕になるのです。保険の金属で治療した歯は、5年ぐらいで二次う蝕になることが知られています。
虫歯の治療では、虫歯の周りの健康な部分まで大きく削り取ります。このため、虫歯の治療を繰り返すと歯はどんどん小さくなっていきます。大体3回目ぐらいで、神経を抜かないといけなくなります。神経を取って土台を入れて被せものをしますが、歯は死んで脆くなってしまいます。つまり、どんどん歯の寿命が短くなって行きます。

★二次う蝕の予防方法

歯を長持ちさせる治療を選択する

二次う蝕の予防で重要なのは、修復治療に使用する材料選びです。最初に自費のCRを使用すると、極超微粒子でできているので唾液や虫歯菌が染み込みにくく、二次う蝕になりにくくなります。また、詰め物や被せものに自費のセラミックを使用すると、歯と接着剤が分子レベルで接着して一体化するので隙間が残らず、二次う蝕になりにくくなります。さらに、白くて美しく、ツルツルして歯垢がつきにくく、金属アレルギーの心配がないといったメリットもあります。治療費用は多少高くなりますが、歯が長持ちすれば、結果的に生涯にかかる医療費は安くなります。

歯科検診を受ける

二次う蝕は、自分では見つけにくいところに発生します。また、どんなに丁寧に歯を磨いても、歯垢を完全に除去することはできません。定期的に歯科医院で検査やクリーニングを受け、健康なお口の状態を保つことで、虫歯の早期発見・早期治療に繋げましょう。

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