歯の二大疾患のひとつである「虫歯」に詳しくなろう
歯の二大疾患は「虫歯」と「歯周病」です。虫歯や歯周病の原因となる菌は、口腔内の常在菌。そのため、ほとんどの人の口腔内には、菌が存在しています。では、なぜ罹患する人と、しない人がいるのでしょうか。 人間の体には40~100兆個の常在菌が存在しており、これらの細菌叢(さいきんそう)は生体と共生しています。しかし、なんらかの原因によって細菌叢のバランスが崩れると病気になるのです。これを「ディスバイオーシス」と言います。虫歯や歯周病も、ディスバイオーシスによって起こる疾患なのです。 「歯が溶ける」、「歯に穴が空く」という症状は、虫歯の病態のひとつにすぎません。もちろん、虫歯菌によって空いた穴を削り、詰めるという治療は必要。しかし、それ以上に大切なことは、ディスバイオーシスによって起こる虫歯の根本を理解すること、そして、虫歯の進行を抑制するための「削らない治療」です。虫歯にならないためには、まず虫歯について知ることから始めてみましょう。
歯がしみる、痛い【一般歯科・根管治療】|横浜市中区の歯医者|山手駅から徒歩2分|おぎはら歯科医院
歯がしみる、痛む……それは虫歯かもしれません
「歯がしみる」「歯が痛い」など、お口の中のお悩みはありませんか? もしかしたら、その症状は虫歯が原因かもしれません。虫歯になっている可能性をチェックしてみましょう。
虫歯になったことがある
- 歯の表面がざらざらしている
- 歯と歯が重なっていたり、歯列から外れていたりする歯がある
- 1日3回以上、間食や糖分を含む飲料を摂取する
- 歯間ブラシやデンタルフロスの使用回数が週3回以下である
- デンタルフロスがよく切れる
- 歯の一部が白濁したり、茶色くなったりしている
- 歯が痛い、もしくはときどき痛い
- 冷たい飲み物や食べ物が歯にしみる
- 熱い飲み物や食べ物が歯にしみる
- 歯がしみたり痛んだりすることがあったが、今はその症状はない
- 歯に大きな穴があいているのに、しみたり痛んだりという症状がない
1つでも該当する項目がある場合は、虫歯かもしれません。もし虫歯だった場合、放っておいても治癒することはなく、悪化してしまいます。できるだけ早く当院にご相談ください。
虫歯の進行段階と治療法
※表は左右にスクロールして確認することができます。
進行段階 | 症状 | 治療法 |
---|---|---|
C0 |
歯の表面のエナメル質が溶け始め、白く濁っています。まだ歯に穴はあいておらず、しみる、痛むといった自覚症状はありません。 | 適切なブラッシングやフッ素塗布を行うことで治癒することがあります。 |
C1 |
歯の表面のエナメル質がさらに溶けて、黒ずんでいます。冷たい物がしみることがありますが、まだ痛みはありません。 | 虫歯に冒された部分を削り、レジン(歯科用プラスチック)を詰めます。 |
C2 |
エナメル質の内側にある象牙質まで虫歯が進行しています。冷たい物や甘い物がしみるようになり、ときどき痛むようになります。 | 虫歯になった部分を削り、インレー(詰め物)で補います。 |
C3 |
神経まで虫歯が進行しています。熱い物がしみたり、何もしていなくてもズキズキと激しく痛んだりするようになります。 | 根管治療(神経を除去し、神経が入っていた管の内部を消毒して薬剤を詰める治療)を行い、被せ物を被せます。 |
C4 |
歯の大部分が溶けてなくなり、歯根まで虫歯に冒されています。神経が死ぬため痛みはなくなりますが、歯根部に膿が溜まると再び痛み始めます。 | 抜歯が必要な場合が多く、歯を抜いた部位は、入れ歯やインプラント治療などで歯の機能回復を図ります。 |
進行した虫歯でも歯を残す治療――根管治療
根管治療とは、虫歯に汚染された神経などを取り除き、その内部を綺麗にクリーニングし、歯の根の先にまで薬を入れる治療です。虫歯が神経まで達してしまうと、抜歯が必要になる場合がありますが、抜歯には歯列を乱すなどのリスクがともなうもの。そのため、抜歯をせず神経は取りながら歯の根は残す根管治療は、お口の健康、歯列の維持に大きな役割を果たします。
ラバーダムを使用した根管治療
歯の根管治療では、根管内の「細菌を残さない、細菌をきれいに取り除くこと」が大変重要になります。根管治療の問題点として挙げられるのが、ラバーダムを使用せずに行う根管治療です。治療中の根管内に細菌が侵入するのを防ぐ、ラバーダムを使用した無菌的処置についてご説明いたします。
人の口の中や唾液には、さまざまな細菌が存在しています。治療中にそれらの細菌が根管に入ってしまうと、大きなダメージを与えてしまうことになります。そこで、細菌の侵入を防ぐために、ラバーダムというゴム製のシートを使用することが推奨されています。ラバーダムは、歯を覆うように装着しますので、治療中の水や患者さん自身の唾液などが、治療中の根管に侵入するのを防ぐことができます。日本歯内療法学会のガイドラインでは、根管治療時にラバーダムを使用することを必須としていますが、統計を見ると実際は守られていないことが多いという事実があります。当院では細菌侵入による「再治療を徹底的に防ぐ」ということを第一に考え治療を行っています。
根管治療の流れ
- 虫歯に汚染された組織の除去
- 虫歯に汚染されている歯質および根管内の神経や血管を取り除きます
- 根管内の計測
- 専用器具を使って根管内の深さを計測します
- 根管内の洗浄
- 根管内部を徹底的に洗浄します
- 根管内の消毒
- 根管内部をしっかりと消毒し、細菌が残らないようにします
- 薬剤の注入
- 歯の根の先までしっかりと隙間なく薬剤を注入します
- 土台の形成と被せ物の装着
- 被せ物を装着するための土台を形成し、被せ物を装着して歯の機能を補います
治療後のメンテナンス・ケア
虫歯治療が終了したら、ここからが予防のスタートです。虫歯の再発を防止したり、新たな病気にかかったりしないよう、医師の指示に従って定期検診を受診してください。